佐賀県沖の有明海で養殖されている今季のノリについて、県有明海漁協は20日、販売枚数、販売額の「日本一奪還」が厳しくなったことを明らかにした。2季連続で日本一の兵庫県と、枚数、額ともに差が開いており、「追いつくのは難しい」(同漁協幹部)としている。少雨や赤潮などにより生育に必要な栄養塩が不足したことが響いた。
同日に佐賀市の佐賀海苔共販センターで開かれた冷凍網ノリの今季4回目入札会で見通しを示した。今回を含めた累計の販売枚数は8億2525万枚、販売額は214億3394万円。全国漁連のり事業推進協議会の15日時点のまとめでは、兵庫県の累計が12億793万枚、319億2045万円となっている。
20日時点での佐賀県の累計と比べても、兵庫県が約3億8千万枚、約104億9千万円上回っている。佐賀県の入札会はあと2回予定しているが、3季連続で日本一を逃す見通しとなっている。
冷凍網ノリの4回目の入札会には14支所が出品し、約50の商社が参加した。販売枚数は例年の同じ時期よりやや少ない1億1820万枚で、販売額は23億1936万円だった。3月初旬の雨で栄養塩が一定回復して「2等級程度は色が戻った」(漁協幹部)という。平均単価は19円62銭で、全国的な品薄や商社の在庫不足から高値がついた。(古賀真理子)