吉井奈々『いつもの言葉があか抜ける オトナ女子のすてきな語彙力帳』ダイヤモンド社刊

 社会人になってから、より一層人の目を気にするようになったと思う。特に言葉遣いだ。「今の言い方、失礼じゃなかったかな…」。電話応対中などは常に脳内を不安が駆け巡る。きっと同じ思いをしている人は他にもいるのではないだろうか。

 著者の吉井奈々さんは、日本郵政や法務省など、数々の企業や省庁での講演や研修を担当した実績がある。吉井さんが伝えるのは、心を大切にするコミュニケーションだ。

 この本が掲げる語彙(ごい)力アップの4カ条はこうだ。(1)相手を思いやる(2)ファッションのように言葉を選ぶ(3)自分らしく自然体で(4)正解にしばられない―だ。このポイントを踏まえて、さまざまなシチュエーションで使える言葉遣いを解説する。約240ページと大ボリュームだが、文字の大きさなどデザインの工夫がされていて見やすい。嶽まいこさんのおしゃれなイラストも眺めていて楽しい気分になる。

 コラムやワンポイントアドバイスもたくさん掲載されているが、目からうろこだった部分がある。あいさつに苦手意識があるとき、どこからスタートすればいいのか? 著者のアンサーは「宅配や集金などの業者の人や、マンションなどの清掃員に声をかけることから」だった。なるほど! それならお互い自然だし、できそうな気がしてきた。

 コミュニケーションは、生きていくうえで不可欠なもの。それならせめて、相手も自分も心地よく感じる言葉を使いたい。(ダイヤモンド社/1540円)

(コンテンツ部・池田知恵)