佐賀(さが)平野の水路、合計何キロあると思いますか? 正解(せいかい)は約2000キロ。2000キロというと、佐賀市からモンゴルやフィリピン、北海道(ほっかいどう)を越(こ)えて樺太(からふと)島までの距離(きょり)です。そう、佐賀市にはみなさんが思っているよりもめちゃくちゃ水路があるんです。

 そんな佐賀の水路には“個性(こせい)”があります。浅い水路や深い水路、流れが速い水路に遅(おそ)い水路、護岸(ごがん)がコンクリートだったり木の柵(さく)だったり、水草が生えていたり住んでいる生き物の種類が違(ちが)ったり…。どれひとつとして全く同じ水路はありません。深い水路にはよくカモの仲間が泳いでいますが、浅い水路でよく見る鳥といえば?

 そう、今日紹介(しょうかい)するのはアオサギです。佐賀県では市街地でもよく見かける大きな灰色(はいいろ)の鳥ですね。アオサギは日本だけでなくユーラシア大陸やアフリカ大陸にも生息する鳥です。不死鳥フェニックスのモデルとなったといわれているエジプトの伝説の鳥「ベンヌ」はアオサギのような見た目だそうです。日本では「青鷺(あおさぎ)火」という怪談(かいだん)もありますし、不気味な鳥だと思われていたのかもしれませんね。

 そんなアオサギはこれから繁殖(はんしょく)の時期。大人のオスは婚姻(こんいん)色といって、クチバシや目元、足が赤く染(そ)まります。いつも見ている水路に赤いアオサギがいるかもしれません。