「自分だけ死ぬのが納得いかなかった」。父親に対する殺人未遂罪に問われた男性(25)。公判では、父親に逆らえない家庭環境の中で言われるがまま借金を重ねるなどして、自殺を考えるまでに追い詰められていた実態が明らかになった。

 被告は両親と弟、妹の5人暮らし。自動車部品製造会社に勤め、父親に生活費を渡し、光熱費や携帯電話代なども含めて給料のほとんどが家族のために費やされていた。両親に「妹の学費で50万円借りてほしい」と頼まれて借金をしたり、自身のボーナスが父親のパチンコ代に充てられたと聞いたりしたこともあった。