国登録有形文化財などに指定されている戸上電機製作所(佐賀市)の本館の外壁をスクリーンにしたプロジェクションマッピング上映会が12日、同社で開かれた。同社の創立100周年を記念した取り組みで、1925(大正14)年に建てられた歴史ある建物の外壁に、会社の歩みを紹介する映像が色鮮やかに投影され、節目を祝った。
木造3階建てでアーチ形の窓がある本館の形に合わせ、同社が最初に手がけた配電線用の自動切替開閉器などの製品、桜や雪の結晶が投影された。また、パソコンと人の顔の映像で人工知能(AI)の活用を示唆し、新しい未来に挑戦する同社の姿勢を示した。
上映に先立ち戸上信一社長が「魅力がある会社をつくり、わくわくどきどきしたいと企画した。会社もわくわくしないといけない」とあいさつ、ものづくりへの決意を新たにした。創立記念日に合わせた上映会は、従業員や家族、取引先ら約500人が鑑賞した。
プロジェクションマッピングは社内で制作。経営戦略グループの松尾美和リーダーは「ベストは尽くせた。100周年の節目にチャレンジする機会をもらい、背中を押してもらえてありがたかった」と話した。3月中の一般開放に向け準備をしている。(北島郁男)