長崎で行われたマルシェでの一コマ

 「佐賀と長崎では、つながり方が違う?」

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 会社の仲間と仕事のつながりについて話していた。長崎で仕事を増やそうとしても思ったように広がらなかったのだが、佐賀だと半年も満たないうちに仕事の幅が広がった。同じ人物にも関わらず、佐賀と長崎でのつながり方の違いに、一体何が隠されているのだろうと不思議だった。

 そこで、マルシェを起点に分析を始めてみた。一般的に長崎はオシャレという印象。国際貿易港として栄えてきた地域は、さまざまな文化が混ざり合ってきた背景がある。街並みも洋館や唐寺が並ぶエキゾチックな雰囲気が漂っている。その雰囲気を感じられるからこそオシャレだと感じる。

 長崎から発信される情報の多くは街や商品など、モノとコトを発信している媒体が多くあるように思う。マルシェに行くとパッケージやブースづくりにビジュアル的な魅力を多く感じられるだろう。それらをふまえて考えると、長崎は「モノとコトが始めでその後ヒトへつながる」そんな傾向にあると思う。

 一方で、佐賀はどうだろうか。一般的に「何もない県」と思われており、どちらかというとオシャレなイメージは少ないのではないか。マルシェでもパッケージで目が行くというわけではなく、本質を突いてくるモノやコトが多い。佐賀のマルシェを歩いていると、とにかく笑い声を耳にする。そう、佐賀のマルシェはとにかくしゃべっている。だからこそ“人情味”を感じられることが多い。佐賀は「ヒトとのつながりが始めで、その後にモノとコトがつながる」傾向が強い。

 このように地域によってつながり方の違いがあるのだ。佐賀で実績がまだ少なく、これから一歩を踏み出そうともがいている仲間にとって、「ライターをしています」というコトからの営業よりも、「めちゃくちゃおもしろいですね」と対話から入るヒトからの営業がつながりやすいのではないだろうか。自分を売り出すか、商品を売り出すか。戦略を考える一つとして地域性は関係すると思う。

 (音無てらすオーナー 山本卓)