中教審委員就任を受け、記者団の取材に応じる山口祥義知事=県庁

 佐賀県は10日、山口祥義知事が中央教育審議会(中教審)の委員に就任したと発表した。大学分科会に所属する見通し。行政、学識経験者を含め、佐賀県関係者の就任は初めて。任期は2027年3月9日までの2年間。県は29年度の開学を目指し、県立大構想を推進している。大学の設置認可は、文科省内の別の審議会が所管する。

 中教審は、文科相の諮問を受け答申する諮問機関。教育に造詣が深い学識経験者らで構成する。知事が1人選ばれるのが通例で、前委員は山口県の村岡嗣政知事だった。阿部俊子文部科学相が同日、委員29人を任命、うち13人が新任だった。

 分科会は「大学」「教育制度」「生涯学習」「初等中等教育」の四つがある。大学分科会では、大学や高等専門学校における教育の振興に関する重要テーマを審議する。

 山口知事は県庁で記者団の取材に応じ、「驚いたが光栄」とした。「佐賀県は県立大の議論の真っ最中。佐賀の現状も含めて話せたらと思う。教育機関は都市部に集中しているので、地方都市で知の集積がいかに図れるかは大きなポイントになる。ぜひ議論していきたい」と意欲を見せた。

 任命後初となる会議は17日に予定されている。2月定例県議会の閉会日と重なるため、出席方法などを文科省側と調整している。(山口貴由)