佐賀県と鹿島市の肥前鹿島駅周辺整備の完成イメージ。黒い屋根が新駅舎、その左が復原駅舎。白い建物は祐徳自動車本社ビル(佐賀県提供)

 佐賀県と鹿島市が連携して取り組む肥前鹿島駅周辺整備事業に関し、平尾健政策部長は6日の県議会総務常任委員会で、事業の費用対効果や成果指標などは「経緯の重みや、地域づくりの事業になじまない」などとして、提示しない考えを明らかにした。

 県と鹿島市で総事業費53億2千万円を見込んでいる。うち県事業は45億円。藤木卓一郎議員(自民)が「金額が大きい」とした上で、事業の費用対効果や成果指標など、数値目標を示すようただした。

 平尾部長は、駅周辺整備の背景に九州新幹線長崎ルートの整備があるとし、「鹿島・太良の長崎線沿線地域で在来線の利便性が大きく低下した」と説明。開業した西九州新幹線(武雄温泉-長崎)における佐賀県の実質負担は約200億円とした上で「(鹿島駅周辺整備が)公平性やバランスを欠くとは思わない」と述べた。

 事業の数値目標に関しては「経緯の重みがあり、費用対効果で測るべき事業ではない。地域づくりという点を考えると、この効果を定量的に評価するのは難しい」と語り、提示しない考えを示した。(山口貴由)