出発式で「出発進行」を合図する太良町の永淵孝幸町長(中央)と鹿島市の鳥飼広敬副市長(左)ら=佐賀市のJR佐賀駅

「呑み鉄仲間」という千葉県や神奈川県などの4人組も参加。鉄道の旅と鹿島の銘酒を楽しんだ

 JR九州と鹿島市、太良町は2日、鹿島の蔵元の地酒を味わいながらJR佐賀駅~多良駅を往復する特別列車を運行した。県内外から参加した約90人が日本酒や食事を楽しみ、両市町の停車駅で地元のもてなしを受けた。

 昨年に続く第2弾で50系客車(旧SL人吉客車)を使用。日本酒は鹿島市が5銘柄を厳選し、1人につき四合瓶(720ミリリットル)1本が提供された。参加者は各銘柄を分け合いながら笑顔で乾杯し、日本酒に合う特製弁当も味わった。

 途中で停車した肥前七浦駅と多良駅ではミカンジュースやスイーツなどが振る舞われた。復路では肥前浜駅近くの「漬蔵たぞう」に立ち寄り、地元特産品の試食や物販を楽しんだ。

 鉄道沿線の地酒を楽しむ「呑(の)み鉄」仲間の4人で参加した神奈川県の男性は「佐賀の酒を満喫し大満足。これまで体験したお酒付きツアーで3本の指に入る」と絶賛した。家族3人で訪れた厳島怜さん(40)=北九州市=は「太良町はカニやカキなど海の幸で有名と知ったので行ってみたい」と語った。

 同ツアーは長崎線の利用拡大も狙った取り組みで、鹿島市広報企画課の高木涼美さん(34)は「鹿島、太良のファンを増やし、長崎線を盛り上げたい」と話した。(市原康史)