佐賀市の中心市街地にある暴力団事務所の明け渡しの手続きが完了したことが5日、佐賀県警などへの取材で分かった。土地と建物を県暴力追放運動推進センター(暴追センター)が昨年6月に取得した後も暴力団関係者が使用し続け、今年2月には明け渡しを命じる判決も確定していた。暴力団関係者側との協議が整ったという。
同市呉服元町の指定暴力団道仁会系の事務所は、2004年ごろから使用されていたとみられる。相続で暴力団関係者以外の個人に所有権が移ったことなどを受け、暴追センターと県警、県弁護士会民事介入暴力対策特別委員会(民暴委員会)でつくる「3者協議会」が対応に当たって昨年6月に土地と建物を暴追センターが取得していた。
暴力団側に対して法的手続きを進め、佐賀地裁は今年1月に事務所の明け渡しを命じる判決を言い渡し、2月に確定した。同27日付で明け渡しとなった。
暴追センターは「三者で連携し、地域住民の協力を得ながら、今後さらに暴排活動を推進していきたい」としている。住民の一人は「反社会的な人たちが地域に住んでいるのは喜ばしいことではなかったので、一安心」と語った。
事務所の跡地に関しては、佐嘉神社角交番(佐賀市)の移転先として交番設置の案が出ている。(中島幸毅)