序章(9) 誰もが羨(うらや)ましそうであり、岡本などは一転して歯噛(はが)みしている。「私に任せたいこととは……何でしょうか」「それは我らも知らされていない。まずは急ぎ連れて戻れとのことだ」「どちらかの馬を使ってよいということですね」 何故、二人で来たのかと思ったが、理由はそれであろう。