「注意していれば大丈夫だろう」と、無免許運転を3年以上繰り返していた。交通事故を起こして自動車運転処罰法違反(無免許過失致傷)の罪に問われた吉野ヶ里町の82歳の男性被告。「(無免許運転を)100回以上はしている」と供述していたことを、公判で検察官は明らかにした。
加齢からか視力が下がり、免許更新は難しいと病院で伝えられた。2020年、更新せずに失効した。しばらく運転していなかったものの、数カ月たつと再び車を使うようになった。買い物でスーパーへ向かったり、カラオケに行ったり。家族から注意されたこともあったという。
事故当時、知人を乗せて運転していた。交差点で衝突した相手の車は横転し、運転していた男性がけがを負った。法廷で被告は「大変なことをした」と謝罪した。
検察官から、なぜ運転したのかを尋ねられた。被告は弱々しい声で「便利で、都合がよかったから…」。「甘く考えていたんですか」との問いかけに「そうですね」とだけ答えた。(佐賀地裁判決=懲役8月、執行猶予3年)