AIに指示を出しながら絵本作りを楽しむ親子=佐賀市の旅館あけぼの

AIを使い参加者が作った絵本の一場面

 対話型生成AI(人工知能)を使いオリジナルの絵本を作る親子向けのワークショップが24日、佐賀市の旅館あけぼのであった。20組が生成AIの力を借りながら物語と絵を作り、創造的な活動にも使えるAIの能力の高さと、使いこなす難しさの両方に触れた。

 県中小企業団体中央会が主催。佐賀・長崎両県でAIなどをテーマに企業や親子向けの教室を開く異業種メンバーによる任意団体「9-Party(ナインパーティー)」(上原泰三代表)が教えた。

 チャットGPTを基に同団体が開発したアプリで絵本の物語と挿絵を制作した。簡単なテーマやキーワードだけで瞬時に物語や絵ができる一方、イメージと違った場合に与える指示に苦心する様子も見られた。30分ほどで表紙と4場面を作り、スマートフォンにダウンロードした。

 上原代表は「AIは人間の言うことに合わせて音楽や絵、動画も作れる。使えば、初めてのことや苦手なこともできる」と利点を説明。一方で「間違った答えをもっともらしく出すこともある」「人気のキャラクターなど、他の人が作って大事にしている絵は描かないで」と注意点を説明した。

 上原代表は「AIがどんどん進化する中で、子どもたちの学びも従来とは変わっていく必要性を感じる。大人も常に学び直すことが大事」とワークショップの狙いを語った。男の子が森の動物たちと友達になる絵本を作った飛澤茜さん(7)=佐賀市=は「こんなにきれいに描いてくれるなんてすごい」と驚いていた。(志垣直哉)