定住人口を増やすためのアイデアを提案する市職員と大学院生=武雄市役所

 武雄市と九州大大学院はこのほど、地域課題の解決を目指す「未来共創ラボ」の発表会とシンポジウムを開いた。連携協定を結んで2022年度から取り組み、本年度は「まちの魅力を高めて定住人口を増やす」をテーマに、市職員と大学院生が意見交換や実地調査を続けてきた。

 職員と院生がチームを組み、「コンテンツ」「発信方法」「行政サービス」の切り口から研究成果を発表した。コンテンツでは、市内9町の魅力を磨いて市民に武雄の良さを知ってもらうことを提案。橘町の河童伝説を生かした「かっぱウオーキング」のアイデアを披露した。

 発信方法に関しては、若者の移住を促進するために交流サイト(SNS)の活用は不可欠とし、市内の古民家を改修してシェアハウスを造る様子を動画で配信することを提案した。

 小松政市長は「大学院生と話すことで職員の意識も変化したと思う。次はアイデアを形にするアクションを期待する」と講評した。

 シンポジウムでは、京都大大学院工学研究科の川端祐一郎准教授が「『引っ越さなくてもいい社会』という理想」のテーマで講演。人口増が続く長崎県大村市の東賢一デジタル推進課長が、ITを活用した移住定住策を紹介した。(澤登滋)