德丸英器さん(後列中央)と歌を披露する馬渡小中の子どもたち=唐津市鎮西町の馬渡小中

「まだらだから」のお披露目会には多くの島民が訪れた=唐津市鎮西町の馬渡小中

「まだらだから」のミュージックビデオ

 唐津市鎮西町の離島・馬渡島にある馬渡小中の子どもたちとシンガー・ソングライターの德丸英器さん(42)が、島の歌「まだらだから」を作った。「番所の辻」「教会」など馬渡島ならではの魅力が歌詞に盛り込まれ、島のテーマソングとして活気づくりに一役買う。

 いじめに悩む子どもたちへの相談・支援活動に取り組む公益社団法人「ON THE ROAD」(佐賀市)で理事を務める德丸さんが、唐津市の七つの離島を盛り上げるプロジェクトの一つとして取り組んだ。

 歌詞は子どもたちが家族や島民から聞き取った内容を基に、德丸さんと話し合って作り上げた。標高237・9メートルの番所の辻は捕鯨などの見張り台として使われ、教会は寛政年間にカトリックが伝わったとされる島を象徴する建物の一つ。こうした数多くの魅力があるのは「まだらだから」と歌い、曲名でもあるこの歌詞に一人一人の存在が「宝」という思いも込めた。

 德丸さんが作曲とボーカルを担当し、テンポの良い曲に仕上げた。給食の時間にBGMとしてデモ曲を流し、昨年11月に校内でレコーディングを行った。子どもたちは最後のサビを歌い、CDにはフルコーラス版も収録されている。

 21日に馬渡小中で開かれたお披露目会には島民ら約70人が駆け付け、バンド演奏に合わせて子どもたち14人が元気な歌声を響かせた。5年の山下玲哉さんは「馬渡島の良いところがたくさん詰まった曲。いろんな場面で歌いたい」と話した。

 德丸さんは「この歌を通して、子どもたちの元気が島全体の元気につながっていくとうれしい」と願う。ミュージックビデオ(MV)はユーチューブで公開中。他の離島の曲も作る予定という。(松岡蒼大)