Q 友人の結婚式の2次会の余興で、参加者から2次会の参加費とは別に商品代を出してもらってビンゴゲームをやりたいと考えていますが、参加者から「それは犯罪だからやめた方がいい」と言われました。本当に罪になるのでしょうか。

 A 「富くじ発売等」の罪(刑法187条1項)にあたります。

「富くじ」とは複数の者から金品を集め、抽選の方法により決まった当選者に集めた金品を与える行為で、富くじ発売者が金品得喪の危険を負担していないものとされています。典型的には「宝くじ」なのですが、これは法律で例外的に認められているものであり、一般の個人や会社が同じようなくじを発売することはできません。

 刑法では賭博罪の一種として「富くじ」に関する行為を犯罪として処罰の対象としています。これは、偶然の要素で利益を得ようとする点では富くじも賭博と類似しており、同様に禁止する必要があるという考え方に基づきます。また、犯罪の成否は販売者が実際に利益を得たかどうかは関係ありません。

 ご質問のように、参加者から集めたお金がそのまま景品代になるビンゴゲーム(抽選会)は典型的な富くじであり、このような抽選券を発売した場合には富くじ発売等の罪にあたります。過去にも神社の夏祭りでの福引券を有償で販売したことが富くじの販売にあたるとして警察が注意した事例があります。もっとも、くじ自体が売却の対象となっていない場合、例えばイベントの参加費として費用を徴収するが、くじは参加費に無料で配布する場合や、賞品の購入者におまけとして抽選券を交付することは富くじを発売したことにはならず、犯罪とはなりません。ですので、イベントでビンゴゲームなどの抽選会を行う場合には、抽選券を有償で販売することはせず、イベントの参加費は集めるが、抽選券は参加者に無償で配布するという形を取る必要があります。なお、名目上は「参加費」であっても実質的には抽選券の対価だと評価された場合には違法とされる可能性もありますので、イベントで抽選会を行う場合にはお金の流れを含めて慎重に準備をすべきです。

 (弁護士 半田望 佐賀市)