一章 秀吉の憂い(17)【羽柴秀吉譚】 じゃが、佐吉はあまり喜んでおるようには見えんかったのじゃ。儂(わし)はそれが気に掛かって、話が終わった後、お主は大名になりたくないのかとこっそり聞いた。するとそこの佐吉は、「領地は微々たるものでも一向に構いません。