小城市三日月町の鉄筋加工場。専用の機械を巧みに操り、鉄筋を曲げ、切断しているのはインドネシアの技能実習生たちだ。大久保鉄筋工業は社員の半数近い18人が外国人。事実上永住も可能な「特定技能2号」の在留資格を得て現場責任者として活躍し、家族を呼び一緒に暮らす外国人もいて、実習生らのあこがれの存在になっている。

 深刻な人手不足から外国人を受け入れ始めたのは10年前。当初は社内の反発もあったが、ひたむきに頑張る外国人の姿が会社に活力を与えていった。小学生の漢字ドリルを使って勉強会を開き、日本語能力試験の受験料も支援。日本人と同じように賃金面でも処遇した。「彼らはエース」と大久保洋次社長(45)は胸を張る。そんな社長の元には外国人を雇用したい企業からの相談が絶えない。「何をどこから準備すればいいんですか-」

 こうした現場の声は佐賀県にも届いていた。県は当初予算に、企業向けにビザ申請手続きや労務管理などをアドバイスする外国人雇用のための相談窓口の開設事業を計上した。