佐賀市の産婦人科。「こうやって寝ているときに検査が出来るんですよ」。助産師は慣れた手つきでベッドに横たわる新生児の額にパッドを貼り、両耳にイヤホンのような器具をかぶせた。新生児を対象に聴覚検査を行う「新生児聴覚スクリーニング検査」の実施風景だ。佐賀県は2025年度当初予算案で3120万円を計上、医療機関に検査機器購入を補助する。

 厚生労働省は、先天性難聴の早期発見、早期療育のために生後1カ月未満の新生児に対して聴覚検査を推奨。先天性難聴の言語習得は聞いて学習する以外の方法が必要となり言語習得に時間がかかる。脳などの発達に影響を及ぼす先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染も産後すぐに難聴の症状が出ることが多い。山口祥義知事は予算案発表の会見で「放っておくとどんどん厳しくなっていく」と迅速な対処の重要性を強調した。