価格交渉のポイントについて話す経営コンサルタントの奈良周平さん=佐賀市の佐賀新聞社

 中小企業を対象とした価格交渉講習会が19日、佐賀市の佐賀新聞社で開かれた。中小企業診断士が、価格転嫁の現状や考え方、よりよい交渉をするための準備などについて解説した。

 あまね経営コンサルティング(福岡市)の奈良周平代表が、企業が取引する物価も人件費も上昇する中、価格転嫁ができた企業とできない企業に2極化している現状を説明。「価格交渉は悪いことではなく、適切な利益を確保するための正しい経済活動という認識を持つことが必要」と呼びかけた。

 準備段階ではコスト上昇額を把握して目標利益を設定するなどして提案書に値上げ幅や理由を明記し、交渉では価格だけではなく、納期短縮などといった「付加価値」も交えて提案する重要性を説いた。その上で「取引先担当者と信頼関係を構築することが大切。気軽に相談できる仲になれば情報収集もでき、ハードな交渉にならない可能性もある」と助言した。

 講習会は佐賀新聞社が主催。3月4日と17日にも午後2時から佐賀市の同社で開催する。(北島郁男)