2月、海水温は12度ほどとなり、年間を通して最低水温期となりました。寒波の影響もあってか昨年に比べ低くなっています。
海水温が下がり、魚たちの姿が減るこの時期のわずか1~2カ月の短い期間だけ姿を見せる生物がいます。それが「ベニクダウミヒドラ」です。一見、きれいな花のようですが、クラゲと同じ刺胞動物門(しほうどうぶつもん)に分類されます。
植物の根のように岩肌に着生し、8センチほど伸びた茎の先端はヒドロ花と呼ばれます。花と果実のように見えますが、口と触手からなっており、触手を広げて流れてくる餌をとっています。この触手には毒針が格納されており、触れると毒針が発射され、クラゲに刺されたような痛みに襲われます。
強い刺胞を持っていますが、天敵は存在します。この刺胞を捕食(盗刺胞(とうしほう))し、その刺胞で武装する生物(ミノウミウシ)です。自然界では日々激しい生存競争が繰り広げられています。
(文と写真:唐津マリンスポーツクラブ・浪口知記)