唐津市の岩﨑慶次さん(84)が、2024年1月に配属された唐津海上保安部の巡視船「いまり」の模型を製作し、同保安部に贈った。実物の200分の1に当たる全長約60センチで、ヘリコプターの発着デッキを備えた大型巡視船の特徴を忠実に再現。3度目となる模型の寄贈に「子どもたちに、ものづくりや海への興味を持ってほしい」と話す。
岩﨑さんは中学生から模型作りを始めた。大阪市の造船会社で船体構造の設計を担当し、仕事が忙しくなったため趣味を中断した時期もあったが、50歳ごろに再開。これまで手がけた約70点のほとんどを知人のお祝いにプレゼントしてきた。
同保安部には巡視船「まつうら」の配備を記念して11年に140分の1、18年には同保安部が入居する唐津港湾合同庁舎の竣工(しゅんこう)祝いとして50分の1サイズの模型を贈った。海上保安友の会の会員でもあり、模型作りを通して広報活動を支援してきた。
模型は長年培った作り方で、船体はヒノキ材を加工。手すりなどにはワイヤを、動力を伝えるシャフトにアルミパイプを使って細部にこだわった。製作をする日は4時間ほど作業し、約半年をかけて完成させた。
模型は合同庁舎に展示される予定で、前田雅人部長(49)は「模型を見るとわくわくする。体験学習に訪れる児童生徒も喜ぶ」と感謝状を贈った。岩﨑さんは「船を所有しているところに贈るのにいい加減なものは作れない。成し遂げられてよかった」と話した。(松岡蒼大)