昭和初期にマレー半島で盗賊「ハリマオ」として名をはせ、旧日本軍の諜報員も務めた福岡県出身の谷豊(1911~42年)を題材にした劇「シン・ハリマオ」が22、23の両日、佐賀市で上演される。「劇団SA-GA」が戦争に翻弄された谷の生涯を描き、平和の大切さを訴える。
谷はマレーで妹が殺されたこときっかけに盗賊となり、その後旧日本軍の諜報員を務めたが、任務中にマラリアに感染し30歳で亡くなった。谷の盗賊団は富裕層から奪った金品を分け与えたため庶民からの人気が高かったとされ、谷は昭和30年代にテレビで放送された「怪傑ハリマオ」のモデルにもなった。
脚本を担当した劇団代表の谷口文章さん(56)によると、谷は仲間思いで破天荒な性格から英雄として語られることが多く、死後には戦意高揚のために利用されたという。谷口さんは「谷の一生を通して戦争、平和について考えてほしい」と話す。
佐賀市八戸のEDAUME東の蔵(旧枝梅酒造)で22日は午後1時と同6時、23日は午前11時と午後3時に上演する。チケットは2500円(ケーキセットか生ビール付き)。問い合わせは谷口さん、電話090(9650)5979。(丸山美陽)