佐賀市金立町の徐福長寿館に併設された薬用植物園で、「日本の植物学の父」と呼ばれた牧野富太郎(1862~1957年)が愛したとされるバイカオウレンが見頃を迎えている。牧野をモデルにした2023年のNHK連続テレビ小説「らんまん」にも登場した小さな花をめでようと、佐賀県外からも登山愛好家らが連日訪れている。
バイカオウレンは四国地方などで見られ、九州では自生していないという。白い花弁のような萼(がく)が梅花(ばいか)に似ていて、スプーン状になった花弁の黄色とのコントラストも目を引く。オウレンは胃の機能を促進する効能があり、胃薬などに配合されている。
同園では1月下旬ごろから、直径約1・5センチの小さな花を咲かせている。九州では珍しいことから登山情報を発信するアプリやSNS(交流サイト)で話題になり、登山やカメラの愛好者らが続々と来園している。3月上旬ごろまで咲き続けるという。
同園の東島邦博さん(75)は「植物園は約260種の薬草を育てていて、年中花が咲いている。宝探しをするように楽しんでもらえれば」と呼びかける。入場料は300円(小中学生は150円)。問い合わせは徐福長寿館、電話0952(98)0696。(花木芙美)