佐賀県障がい者文化芸術作品展のポスターに選ばれたAcariさんの作品「みんな仲良し」=佐賀市の県立美術館

佐賀県障がい者文化芸術作品展のポスターに選ばれたAcariさんの作品=佐賀市の県立美術館

絵画の部で金賞を受賞した大重岳嗣さんの作品「幻影」

知事賞を受賞した池田敏憲さんの書「松静鶴畄聲」

 色彩豊かな絵画やユニークな立体作品、半紙に墨で力強く書かれた文字-。誰もが自分のスタイルで楽しむ展覧会「佐賀県障がい者文化芸術作品展」が、佐賀市の佐賀県立美術館で開かれている。会場には、絵画や書、写真をはじめ、手芸や工芸、和・洋裁の6部門に出品された575点が並び、豊かな感性に触れることができる。

 部門ごとに金賞が選ばれ、その中から一席の知事賞に選ばれた池田敏憲さん(佐賀市)の書「松静鶴畄聲(まつしずかつるのこえきこえる)」は、長い半紙に深みのある線で、一文字ずつ丁寧に書き、文字の大きさや余白のバランスを取りながら、力強く表現した。

 応募が最も多かった絵画の部の金賞を受賞した大重岳嗣さん(生活介護事業すまいる)の「幻影」は、連続的で幾何学的な模様を、色鉛筆で色鮮やかに表現し、細かな着彩の集中力を感じさせる作品に仕上げた。

 また、作品展のポスターに採用されているAcariさん(障害者支援センターSAKURA)の輪郭が太くカラフルな猫が描かれた絵画「みんな仲良し」なども展示されている。

 主催した県文化課は「作者の努力や集中力が詰まった作品ばかり。皆さんが思いを込めて作った作品を見て、自分も芸術に挑戦してみたいと思ってくれたらうれしい」と話す。

 作品展はアートで佐賀を再興し、人々に楽しさを与える最高の佐賀を創り出すことを目的にした「佐賀さいこうアートプロジェクト」の一環で、24回目。

 受賞作の一部は、26日から7日まで佐賀市のイオンモール佐賀大和に展示される。(坂本有佐)

 ▼「佐賀県障がい者文化芸術作品展」は24日まで。入場無料。県立美術館3、4号展示室で、午前9時半から午後6時(最終日は正午)まで。