1月7日午後、佐賀県庁4階。佐賀県立大構想の「キーマン」が知事との面談を終え、来賓室から姿を見せた。専門家チームリーダーで立教大教授の山口和範氏(62)。取材に「新年のあいさつで。専門家チームの検討状況やサガン鳥栖の話を」と短く応じてエレベーターに乗った。実際にはこの時、学長就任を正式に依頼され、承諾した。

 2025年度当初予算案で、山口祥義知事(59)は「人材」を強調した。中長期の視点で、布石となる事業が並ぶ。その目玉が29年度開学を目指す県立大構想だ。ハード整備の設計費や、カリキュラムなどソフト面の具体化に約3億3千万円を計上した。

 「35年前は6人に1人しか大学に行かなかった。今は2人に1人が大学に行く時代。生の数字を見れば、大学進学者は増えている」。山口知事は予算発表会見で、県立大の必要性を力説した。「少子化の時代に大学をつくって大丈夫か」という声への応答でもある。