イオン九州が17日から運用を開始した25メートルダブル連結トラック=鳥栖市弥生が丘のイオン九州RDC

 イオン九州(福岡市)は同社の物流を請け負うロジスティード九州(福岡県糟屋郡)などと協力して全長25メートルのダブル連結トラックの運用を始めた。トラック1台で二つの荷台を運び、ドライバー人員で50%、CO2排出量で約40%の削減効果を見込む。イオングループでは初めてで、鳥栖市と熊本県の物流センター間の輸送を行ってノウハウを蓄積し、全国のイオングループへ拡大していく。

 ドライバーの省人化と環境負荷の低減を行う。長さ約10メートルの専用荷台を連結して荷台の容積を大きく確保できるため、一度に2台分以上を運ぶことができる。1日に1回、鳥栖市と熊本県八代市のイオン物流センター間の幹線輸送を行い、常温の飲料水や菓子、調味料などを運ぶ。

 イオン九州は今後、九州内の企業と協力し「八代市から鳥栖市にトラックを戻す際に他社の荷も積むことで、さらに物流の効率性を高めていきたい」という。

 25メートルダブル連結トラックは高速道路や幹線道路など通行可能区間が決められており、国の規制緩和で2019年から導入が始まり、九州内では22年から走行が可能になった。

 17日、鳥栖市弥生が丘の物流センター・イオン九州RDCで出発式があり、関係者がテープカットを行った。イオン九州の中川伊正社長は「2024年問題など物流課題がさらに厳しくなる中で、物流の安定化を図り、地球環境への貢献も期待できる」と話し、成果を確認しながら、さらに長距離区間への導入など用途を広げていく考えを示した。(樋渡光憲)