北朝鮮拉致被害者家族会で活動の先頭に立ち続けた有本明弘さん(96)が亡くなった。「やるせない」「本当に残念」。各地の被害者家族らは17日、無念の言葉を口にした。
鹿児島県の海岸で消息を絶った市川修一さん=失踪当時(23)=の兄健一さん(79)は17日朝のラジオで有本さんが亡くなったと知り「涙が出た」。健一さんは「親世代の訃報を聞くたびにやるせない。北朝鮮への憤りもある」と声を震わせた。
北朝鮮に連れ去られ、その後帰国した地村保志さん(69)は地元の福井県小浜市を通じてコメントを出し「本当に残念。親世代が存命のうちに拉致問題が解決されることを願う」と嘆いた。