県内一周駅伝はきのう、小城市の13連覇で幕を閉じた。今年は合併で小城郡から小城市になって20年の節目。併せておめでとう◆担当していた地域の成績は毎年気になる。多久・小城支局に勤務していた25年前、小城郡は一けた順位が悲願だった。そんなチームが2013年から負けなし。スポーツで地域を元気にしようと市スポーツ協会長を務める平松克輝・ひらまつ病院理事長が選手層を厚くしたことも大きいが、1999年の第39回大会まで一度も一けた順位がなかった低迷期に地道に選手育成を進めてきた関係者の労苦も見逃せない◆多くの競技に「絶対王者」といわれるような選手やチームが存在するが、最初からうまくいくことは少ない。地道な努力を積み重ねて開花する。駅伝は特にそう。選手育成は10年単位だ。加えて一人一人が前年より「1秒でも速く」を目標に年間を通して練習している。その努力を知るからこそお互いへの信頼感が増し、チームの絆も強くなる◆一方で思い通りに走れなかった選手やけがで出場できなかった選手もいる。「踏まれても根強く忍べ福寿草」という古歌を思い出す。厳しい時も耐え忍べばやがて花咲く春が来ると励ます歌だ◆結果には全て意味がある。25年前、最下位だった多久市は今年5位。第1回大会以来の入賞である。こちらもおめでとう。(義)

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