佐賀県警は14日、県内の警察署のパトカー2台が約1カ月間にわたって車検と自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)が切れたまま走行していたと発表した。伊万里署と鹿島署のパトカーで、該当する期間中の走行距離は合わせて約4千キロだった。県警は「更新時期のデータ入力に誤りがあった」と説明している。
県警によると、パトカー2台の車検と自賠責保険の有効期間は昨年12月14日までだった。県警本部の会計課が一括して公用車に関するデータを扱っており、担当者が「令和6年」と入力するところを「令和7年」にしていたという。
パトカーは、伊万里署で35日間、鹿島署で36日間パトロール活動に使用した。1月23日に県内一斉の車両点検を実施した際に発覚した。道路運送車両法違反と自動車損害賠償保障法違反の疑いで関係者への事情聴取などを行い、故意性はなかったとして立件はしない。
県警はパトカーに乗る前の日常点検時に車検証の確認をすることや定期的な情報共有などで再発防止に取り組む。中道一輔警務部長は「法令で規定された車検の更新を行わず運行したことは誠に遺憾。再発防止に取り組み、このようなことがないように徹底していく」などとコメントした。(中島幸毅)