武雄温泉楼門、新館と東京駅の線画に色を塗る児童=武雄市の武雄小

 唐津市出身の建築家・辰野金吾(1854~1919年)が設計した国指定重要文化財の武雄温泉楼門・新館が4月に完成110周年を迎えるのを記念し、楼門と新館を描いた絵の制作が12日に始まった。縦1・5メートル、横3メートルの巨大な線画に、武雄小の5年生54人が色鉛筆を使って思い思いに色を塗った。

 辰野の功績を顕彰するNPO法人唐津赤レンガの会(田中勝会長)が企画し、同会事務局の山上明善さん(60)が楼門と新館の線画を準備。同じく辰野が設計し、昨年開業110周年を迎えた東京駅も一緒に描いた。児童たちは写真と見比べ、どの色を塗るか話し合いながら手分けして作業を進めた。

 山上さんは辰野が手がけた国内外の建築物について説明。東京駅の天井に干支(えと)の十二支のうち八つ、楼門に残る四つがあるエピソードを紹介し、「辰野と武雄との関わりを紹介するため、色鮮やかに塗り上げてほしい」とエールを送った。

 田中会長(76)は「110周年をきっかけに唐津と武雄の人たちが交流する場をつくり、辰野建築の素晴らしさを多くの人に知ってもらえれば」と話した。

 着色は3月上旬までに終える予定で、同会は完成した線画を武雄温泉駅などで展示する計画を進めている。(澤登滋)