ひな祭りの観光イベントが8日、佐賀市中心部と有田町でそれぞれ開幕した。ともに歴史を感じさせる町並みや建物が主な舞台となり、優美なひな人形や春色の飾り付けで訪れた人を楽しませている。
佐賀市中心街で開幕した「第25回佐賀城下ひなまつり」。今年は「花めぐり」をテーマに、優美なひな人形約5千体や花にちなんだ器などが展示され、花の装飾も街を彩っている。
徴古館では、明治から昭和初期の鍋島家の歴代夫人たちが愛したひな人形を展示する。精巧で豪華な人形やひな道具に、来館者は息をのむように見入っていた。佐賀市の福島愛さん(51)は「めっちゃ細かい。最近は家に飾らない人も多いらしいが、子どもに見せたら驚くんじゃないかな」と感動していた。
旧牛島家では、佐賀市陶芸家協会が花にちなんだ器を並べる。旧古賀家では、大広間に約250体のひな人形が勢ぞろい。土・日・祝日を中心に折り紙教室や琴の演奏も行う。佐賀市の立部陽葵(ひまり)さん(巨勢小2年)は折り紙でひな飾りを作り「家に飾る。パパに見せて『すごい』と言ってほしい」と元気に話した。
佐賀城本丸歴史館には、市内の小学生が手作りしたひな人形がずらりと展示されている。色とりどりの個性豊かな作品に、来館者は「上手だね」と温かい笑みを浮かべていた。
佐賀城下ひなまつりは3月9日まで。全ての有料館に入場できる周遊チケットは千円。中学生以下は無料。(清川千穂)