佐賀県内の玄海地区の海域で、藻場が消失する「磯焼け」が深刻化している。増えすぎたウニが海藻を食害していることが要因。生物の産卵・成育の場で、海士(あま)の漁場でもあり、水産資源への影響が懸念されている。藻場を回復しようと、佐賀県や地元漁業者らが原因となるウニ駆除の取り組みを進めている。

 藻場は海藻が茂って、二酸化炭素(CO2)を吸収する機能がある。多様な生物の産卵や稚魚の生育場所で、ウニ、アワビ、サザエを採る海士漁業の漁場にもなっている。近年は全国的に藻場が減っており、県内の玄海海域の調査によると2013年の1262ヘクタールから22年は597ヘクタールと約10年で半減し、急速に消失している。