大規模災害時のペット避難所開設を目指す嬉野市は1日、避難所でのペット同伴を模擬体験する訓練を実施した。愛犬を連れた市民、市や佐賀県の関係者ら約30人が参加し、避難所での注意点や日頃の備えの大切さを確認した。
ペット避難所は、ペットを屋外や倉庫など別の場所で管理する「同行」が主流だが、市はペットと同じ室内で過ごすことができる「同伴」避難所の開設を計画している。
訓練は、避難所に想定している嬉野町のみゆき球場の選手控室で行った。NPO法人日本レスキュー協会(兵庫県)の辻本郁美さんが講師を務め、「同室で避難する場合は簡易ケージに入れることが基本。暴れて周囲とトラブルを起こさないために、ケージに慣れさせておいてほしい」などとアドバイスした。
飼い主らは協力してブルーシートを敷き、ペットと過ごすためのテントや簡易ベッドの組み立ても体験。同伴した犬とテント内で落ち着いた時間を過ごした。愛犬が心配で避難をためらっていたという会社員の女性(46)は「避難する場合に何を持参すればいいか勉強になった。もしもの時に慌てずにすむように準備したい」と話した。
訓練を見守った村上大祐市長は「誰一人取り残さない災害対応を目指し、ペット同伴避難所を早期に実現したい」と述べた。(市原康史)