行政をはじめビジネス、医療分野などで広がる統計データ活用をテーマにした公開セミナーが1日、佐賀市の佐賀大であった。研究者や大学生、県職員らが、注目を集めるスポーツの統計データの見方を解説し、分析結果を発表した。
大阪大大学院の佐々木勝教授(労働経済学)が基調講演し、スポーツと地域経済について話した。指摘されることが多いスポーツと介護費抑制の関係について「ストーリーは正しいが、安易に判断せずさまざまな可能性を考えて」とデータの読み取り方に注意を促した。全国各地で建設が進むアリーナについては「建設による地域経済への効果は限定的」とする論文を踏まえ、スポーツ自体の価値を高める必要性を訴えた。
佐賀大の学生3人は、佐賀市内の若楠、日新校区の住民計約1400人に実施したアンケートから、仲間が多い方が運動の頻度が高くなることを報告した。仲間のいる人の割合はSAGAサンライズパークのある若楠校区が高いという仮説を立てたが、結果は逆で「サンライズパークにランニングコースがあり、個人競技がしやすいため」と考察した。
セミナーは県と佐賀大などが開き、オンラインも含め約160人が聴講した。(志垣直哉)