海外での活動経験を持つ現代美術家の潮田(うしおだ)友子さん、真島明子さんの展覧会が、佐賀市のkenakianで開かれている。特定の素材や技法に向き合い続ける2人が、時間や空間にアプローチした立体や平面作品を通じ、鑑賞者の意識を揺れ動かす。

 潮田さんは東京藝大とミュンヘン美術アカデミーの絵画科を卒業。時間に関心を持ち、金属ヘラを使った幾何学的な絵画や立体作品を発表してきた。

 「今興味があるのは時間によって変わっていくもの」と話す潮田さん。知育パズルから着想を得たという「記憶の部屋/2024」を展示。五つの立方体で成り立つパーツ12個で一つの長方形を作る立体作品で、パーツには8年間滞在したドイツ・ミュンヘンで出会った人々12人の名前を付けているという。記憶を象徴するパーツは出し入れでき、会場では箱から飛び出すようにバラバラに置かれている。