市議会全員協議会で、サガン鳥栖の支援策について説明する向門慶人市長=鳥栖市役所

 鳥栖市は3日、2025年シーズンをJ2リーグで戦うサガン鳥栖の支援方針を市議会に説明した。J2への降格で運営会社サガンドリームスの減収が予想されることから、公式戦のスタジアム使用料免除などで総額約1億3千万円相当の支援を計画、新年度予算案などに反映させていく。

 市議会全員協議会で向門慶人市長が説明した。向門市長は「サガン鳥栖はスポーツ振興の柱であり、子どもたちの夢や希望、鳥栖の存在を全国へ押し上げる地域の宝でもある」と述べ、J1復帰に向け、市として可能な最大限の財政支援を25年度に限り行いたいとの考えを示した。

 支援内容はリーグ戦やルヴァンカップなど公式戦のスタジアム使用料免除3900万円、ユニホームスポンサー権購入4400万円、公式戦の市民招待事業(計1万2千人を想定)3400万円、冠試合開催などの既存事業に1300万円。総額は例年の約10倍となり、応援機運を盛り上げる事業も検討していく。

 約1億3千万円の支援額について、向門市長はクラブから市に支払われるスタジアム使用料など9500万円とネーミングライツ使用料3300万円を合わせた相当額と説明。運営会社は25年シーズンに債務超過を解消する必要があり、市は今回の支援が「債務超過解消の一助になるのではないか」との考えも示した。

 市議からは「市だけの支援では限りがある。県や他市町と共に支援していけないか」「低所得者への支援も行われる中、市民への説明が必要。クラブ側にも財務状況などの情報開示をお願いしたい」との意見が出た。(樋渡光憲)