佐賀県沖の有明海で養殖されるノリの色落ちを回復させる研究が本格化している。佐賀大と佐賀県有明水産振興センターが、冷凍網ノリに栄養塩を与えるノウハウを探っている。これまでノリ網を張った海に散布する「施肥」が行われてきたが、冷凍入庫前のノリ網を栄養塩と海水が入った水槽に2日間漬け込む方法を取り入れた。従来より作業が増えるものの、品質向上や生産コストの削減につながりそうだ。

 同センターが2023年に行った水槽を用いる方法の予備試験で、重度の色落ちをしたノリは正常に近い状態まで回復した。24年度はノリの色素を測定する技術や適切な栄養塩の濃度を研究している。技術が確立すれば、キロ単位だった栄養塩の使用量がスプーン1杯程度で済むという。25年度は光を当てる量を調べる。実用化しやすいように実験道具は手頃に購入できるLED(発光ダイオード)や、農業用の遮光シートを使う予定だ。