「恵方を向いて丸かじりし、一年の縁起を願って」と恵方巻きをアピールする担当者=佐賀市のイオン佐賀大和店

 2月2日は節分。佐賀県内のスーパーやすし店などでは、「恵方巻き」の準備が大詰めを迎えている。コメやノリなどの材料が値上がりし、昨年よりも高値になる商品も多いが、輸送コストを抑えるなど、価格転嫁を最小限にしようと工夫を凝らす。近年、大量廃棄問題が社会問題化したことから、事前予約を促すなど売り切ることに力を入れている。

 帝国データバンクによると、恵方巻きの主要な原材料の価格はコメが6割、ノリは2割上がり、今年の恵方巻きの平均価格は前年比10%超となっている。多くの企業で予約受注が導入され、食材廃棄のコストカットを図っている。

 イオン佐賀大和店(佐賀市)では、事前予約でポイント付与もあることから、年々増えている。1回で運び入れる量を増やして輸送コストを抑え、価格は据え置き、もしくは前年比5%増までに抑えた。シニア層には2980円の海鮮巻き、ファミリー層には食べ切りサイズのハーフサイズが5種類入りのセット(1180円)の需要が高いという。物価高で手作りする家庭も増えており、短冊状の刺し身のセットも人気が出ている。

 同店は「廃棄が出ないよう供給するため、昨年は売り切れてしまった商品もある」と早めの購入を呼びかける。

 佐賀市のすし店「嬉乃すし」では、予約が例年より1割ほど多く、「海老レタス恵方」(千円)など野菜が具材の商品が売れ筋になている。ノリの上から金箔(きんぱく)を巻いた「金箔恵方」(1万1千円)は、経営者が購入して社内で取り分けて食べるというニーズに合わせ、平日の3日に販売する。「縁起物のイメージも強いので、今年は価格転嫁はしていない」という。(福本真理、秋根紗香)

 

■節分、暦のずれで今年は1日早く

 節分の日は、今年は例年より1日早い2月2日となる。太陽と地球の位置関係による暦のずれのため、立春が1日早い2月3日となり、その前日となる節分も早くなる。

 節分は季節を分けるという意味があり、立春の前日に当たる。2021年には124年ぶりに2月2日となった。それ以降、しばらくは4年ごとに2月2日となる。