佐賀市の一般社団法人ヘルスサポーターズイノベーションでは、幅広い世代のウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)を支援するオンラインサービス「ポケット保健室 CHLWEL」を運営しています。

 このサービスは新型コロナウイルス感染症流行下の緊急事態宣言(2020年4月)時に生まれました。当時、母親の孤立を防ぐオンラインサービスの企画をしていましたので、ゴールデンウィーク期間限定ではありましたが、助産師による無料相談を行いました。そして同年9月に妊産婦や育児期の母親向けのプラットホーム(セミナー、サロン、コンテンツ、相談など)を構築しました。21年6月には生活やキャリアを含む多様なニーズに応えるために、助産師、保健師、保育士、管理栄養士、理学療法士、公認心理士、キャリアコンサルタントなどを結集した組織に発展致しました。

 22年、経産省のフェムテック等実証事業の助成と県内企業の協力を得て、働く女性の健康とキャリアの両立について検討しました。その結果、月経や更年期など女性特有の健康に関する知識や情報が不足し、適切に対処できていない実態が明らかになりました。若いときからの性や健康、キャリアについての学びの機会が必要だと考え、23年11月に中高・大学生や新入社員が利用できる内容を加えました。現在123件のコンテンツを無料で視聴できます。

 佐賀生まれの専門家によるオンライン相談は、企業の健康や育児支援サービス、行政の子育て支援(佐賀県、神奈川県他)などに活用され、他県に広がっています。

 本年2月5日に佐賀初の取り組み「フェムケアSAGA」(ホテルマリターレ創世)が開催されます。従業員の心身の健康や育児を含めた生活の安定は企業の価値と持続可能性も高めます。ぜひご参加ください。

 (佐賀大学名誉教授、一般社団法人ヘルスサポーターズ・イノベーション理事 佐藤珠美)