受講者の写真を紹介しながら、言葉を大切にする写真術を伝えた笠原徹さん=佐賀市の願正寺

松原神社付近で被写体を探す受講者=佐賀市

 幕末佐賀藩の藩校・弘道館をモデルにした講座「弘道館2」が26日、佐賀市の願正寺であった。市内で写真館「ハレノヒ」を経営する写真家の笠原徹さん(49)が講師を務め、感動を言語化することで被写体をより魅力的に撮る写真術を伝授した。

 中学生から24歳までの22人が受講し、スマートフォンで撮った写真について笠原さんからアドバイスを受けた。「会場周辺で見つけた『いいところ』か『自分の好きなもの』を伝える写真」というテーマで撮影に出かけ、撮った理由や狙いも文章で提出した。

 神社や寺、看板などの写真と文章を照らし合わせ、笠原さんは「狙いと関係ない物は(写真から)排除する」「なぜそれが好きなのか、もっと言葉を掘り下げて」などと助言。受講者は再度撮影し、前後の写真の変化を全員で共有した。

 笠原さんは「感動する」「整える」「思いを込める」の三つのステップをこつとして示し、「自分が何に、なぜ感動したのかを、言葉や文章にして整理する作業が大切。写真はコミュニケーションツール。感動が相手に伝わるよう努力して」と呼びかけた。

 笠原さんは結婚を機に県外から佐賀市へ移住し、古民家をリノベーションした写真館を経営。県内が舞台の映像作品「SAGA LAND」の制作や映画「つ。」のプロデュースでも知られ、地方でクリエーティブな仕事をするノウハウをまとめた著書もある。

 鳥栖商業高1年の遠藤凛華さんは「写真は撮るだけじゃなく、伝えたいことも考えながら楽しみたい」と話した。(志垣直哉)