鳥栖市の鳥栖商業高で30日、市内にオフィスを置くIT企業福岡情報ビジネスセンター(福岡市)の特別授業が開かれた。情報管理科の2年生約40人が業界の最新トレンドを聞き、新たなアプリを考案。好きなことを通じて学年を超えて仲良くなれたり、宿題を忘れた言い訳を考えてくれたりと、学校生活が楽しくなる斬新なアプリを発表した。
鳥栖市は従来、物流業の進出企業が多かったが、近年はIT企業も5社が進出。IT人材を安定的に育成しようと、市が2022年に進出した同社に授業を依頼した。
講師として7人が訪れ、アプリ設計・開発に携わる福谷将啓さんが仮想現実やIoTなど最新トレンドを説明した。生成AIに希望を伝えて数十秒で電卓や部活の募集ポスターを作って見せ、「変化に対応するのは大変だが、とても面白い時代になってくるのではないか」と話した。
生徒たちはチームごとにアイデアを出し、トイレの混雑具合がリアルタイムで分かるアプリや、自分を好きな人が近づいてきたらアラームが鳴る「恋愛で失敗しないアプリ」も考えた。
最優秀には、先生の“気分予報”や好きなこと、今日の服装のポイントが分かり、チャットをすると先生の人工知能(AI)が受け答えするアプリが選ばれた。中村葉月さんは「実際に働いている方から知らなかった話が聞けた。『こんなこともできるの』と、いい意味で予想が裏切られた」と話した。(樋渡光憲)