抽選でくじを引く古田リバーさん(右)。左は原雄一郎さん=27日午前2時11分、唐津市文化体育館

 26日投開票された唐津市議選(定数28)では、28番目に、現職の原雄一郎さん(50)=2期、湊=と新人の古田リバーさん(47)=西浜町=が1174票で並んだため、公職選挙法に基づき、くじ引きを行った結果、古田さんが当選となった。

 公職選挙法は、95条2項で「当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長がくじで定める」とする。

 今回は選挙会が候補者本人がくじを引く形で合意。市選挙管理委員会は2人に意思を確認、27日午前1時45分ごろ、2人が開票所の市文化体育館にそろった。

 くじ引きは午前2時すぎに始まった。「予備くじ」を行い、「本くじ」を引く順番を決める。予備くじは1~10番の青色の棒が入っており、若い数を引いた方が「本くじ」を先に引く。

 予備くじの順番は立候補の届け出順で、25番の原さんは「1」を、35番の古田さんは「10」を引いた。「本くじ」は原さんが先に引くことになった。

 「本くじ」は1~10番の赤色の棒が入っており、若い数を引いた方が当選となる。原さんは「8」を、古田さんは「4」を引き、古田さんの当選が決まった。会場は終始緊張感に包まれ、2人はくじ引きを終えて握手を交わした。

 市選管によると今回、923票の無効票が発生。候補者は投開票日から14日以内に、異議を申し立てることができ、認められた場合、投票結果の再点検をするケースもある。議員以外に若者支援の活動をしてきた原さんは「この4年間の活動には自信がある。それでこの結果は受け止めざるを得ない。くじは仕方ない」といい、異議申し立てについては「悩ましい。みんなに相談したい」と語った。

 県内でのくじ引きによる当選者決定の事例は、直近では2023年1月の上峰町議選で同様のケースがある。(松岡蒼大、宮﨑勝)