唐津市在住の画家乗田貞勝さん(80)が、唐津湾の朝焼けを鮮やかに描いた油絵「唐津の朝」を市に寄贈し、17日に感謝状が贈られた。107センチ×133センチの大作で、市長らが来訪者と面会する応接室の壁に飾られている。
朝日を映して海面が輝き、砂浜には24金を施している。それ以上に鮮烈な印象を与えるのが青空と薄紅色の雲。繰り返される朝の光景だが、SUPに興じる人たちに令和の海を見る。2021年4、5月の早朝、何度も海辺に出かけて描き上げた。
これまでインドネシア・バリ島に100回渡航するなど乗田さんは現場主義を貫いてきた。「現場で熱やにおい、大気の勢いというものを吸収して描いている。『浩然の気を養う』という言葉がある。天地間に満ち満ちている非常に盛んな精気。唐津を訪ねる人には、そういうものを味わってもらいたい」
鹿島市生まれで、佐賀大特設美術科を卒業し、美術教師として呼子中や厳木高などで教えた。1979年に退職して画業の道を進み、唐津市菜畑に自宅兼アトリエを構えた。唐津市や玄海町の公共施設の壁画や緞帳(どんちょう)の原画なども手がける。
峰達郎市長は「白砂青松の風景を残し、受け継いでいく。その志の絵を頂いたものと思う」と感謝状を手渡した。(宮﨑勝)