佐賀県は、嬉野温泉の源泉が過去最低の水位になったことを受け、旅館などの事業者に対し、湯のくみ上げ量について上限の数値目標を初めて示し、温泉使用の節減を文書で要請した。1日当たりの使用量の目安として全体で2800トン以下にすることなどを示した。水位低下は、観光客の増加に伴う使用量の増加などが背景にあるという。

 県健康福祉部によると、近年では2021年をピークに、標高水位の低下が進んでいる。観光客の増加で湯のくみ上げ量が増え、平均水位は21年の49・9メートルから、24年は過去最低の40・8メートルにまで低下した。水位は1965年のピーク時には56・4メートルだった。昨年1~3月は1日当たり3200トンをくみ上げており、水位は過去最低の39・6メートルを観測している。