デザインの力で中山間地域の農業の魅力を発信しようと、地元クリエーターらが手がけたポスターが完成した。「期待感 さが中山間」のタイトルとともに、自然や豊かな農産物を写真や文で紹介している。200部を県に贈呈し、PRに活用されている。
佐賀市富士町に移住したグラフィックデザイナー矢野貴昭さん、コピーライター岡優一さん(鳥栖市)、唐津市出身でクリエーティブディレクター奥野裕喜さんの3人が協力し、県関係者らと制作した。
レジャーとして訪れる人向けと、移住や就農を視野に入れている人向けの2パターンがある。それぞれ3枚の写真で構成し、「中」「山」「間」の一文字ずつを入れたコピーを付けた。
前者は、カップ&ソーサーに「人生の充電『中』です。」、山からの景色を楽しむ様子に「行きつけの『山』はありますか?」、野菜を笑顔で抱える子どもに「木々も野菜も風も光も、みんなあなたの仲『間』です。」の文字を添えた。
後者は畑や農作業、ミカンの写真に、同様に「夢『中』になれる暮らしが、ここにはあるかも。」などとのコピーを入れた。昨年末に県庁で披露した際、3人は「中山間地域で暮らしたり、実際に体験したりしたものが詰まっている」とポスターに込めた思いを語った。
ポスター制作は、クリエイターズマッチ(東京)が主催する「リシンク・クリエーター・プロジェクト」の取り組みの一つ。自治体の課題を地元クリエーターの手で解決を図る「地域デザインファクトリー」として実施し、佐賀編ではJT佐賀支社が協力し開いた。(古賀真理子)