下校中に民家の庭で発生した火災に気付き、迅速なバケツリレーで火を消し止めた鳥栖市の香楠中の3年生5人に15日、鳥栖・三養基地区消防本部から感謝状が贈られた。5人は「自分たちがやるしかないと思った。体が勝手に動いた」と勇気ある行動を振り返った。
表彰を受けたのは、クラスメートの城﨑望実さん、森﨑陽菜さん、深川蒼太さん、田渕空さん、松川璃久さん。5人は昨年11月28日夕方、下校中に煙の臭いを感じ、民家の庭で炎が出ているのを発見した。住民の80代男性が縁側でカセットコンロを使用中、火が出たため慌てて庭に放り投げたもので、炎は人の背丈を超え、大きな爆発音もしたという。
生徒の呼びかけに男性は「大丈夫」と答えたが、近くにはカーテンや原付バイクがあったことから一人での消火は危険と判断、5人は室内の手洗い場からバケツリレーをして火が広がるのを防ぎ、消防隊が到着するまでに火を消し止めた。同本部によると、男性は顔にやけどを負い、消火が遅れていれば民家に燃え移っていた可能性もあったという。
贈呈式で船津直樹消防長は「迅速かつ勇気ある連携が取れた消火活動によって、延焼の危険を未然に防いでくれた」と感謝した。城﨑さんは「最初はたき火だと思っていたけど、爆発音を聞いて火事だと分かった。怖い気持ちがあったけど、人の命を救うことにつながってよかった」と話した。(井手一希)