人々の暮らしの中で生まれ、伝統を重ねてきた民芸品が改めて注目されている。若い世代や外国人観光客などからも人気を集める九州・沖縄のわがまちの民芸品を、佐賀新聞をはじめ地方紙の記者が紹介する。全9回。
宮崎県北部の山あいにある日之影町。農村風景が広がる地で、住民の暮らしに溶け込んできたのが竹製の背負いかご「かるい」だ。農産物や弁当を入れて運ぶ山仕事に欠かせない生活用具。軽くて丈夫な上、使うほどつやが出る美しさもあり「今も多くの注文が入ります」。同町の竹細工職人小川鉄平さん(49)が教えてくれた。