昨年8月に発足した佐賀市陶芸家協会が、発足を祝う展示会を開いている。市内の陶芸家4人が集い、作品の展示・販売と在廊で“お披露目会”を開く。
同協会は、八戸窯の西岡孝子さん(58)を初代会長に設立された。陶芸文化の継承と発展、交流の促進・人材育成などを目的に始まり、2月8日から3月9日に開かれる「佐賀城下ひなまつり」など地域イベントへの参加や情報発信も進めていく。
鬼崎製陶室の鬼崎琢智さん(51)、皿屋の川本太郎さん(56)、琳泉窯の山口亜紀さん(50)が参加している。作陶を生業(なりわい)とする作家を対象に、所属する陶芸家も募集している。
協会展では4人が約30点ずつを持ち寄った。西岡さんの練上げ、鬼崎さんの化粧土での彩色、川本さんの土物、山口さんの染付磁器が並ぶ。山口さんは「メンバーの作風が多彩なので、窯元を巡る楽しみもある」と話す。
小売店の減少やギャラリーの希少さ、中間業者を通した販売での利益率などが影響し、若手陶芸家は減少しているという。若手が多く活躍する栃木県益子町で作家活動をしていた鬼崎さんは「物づくりに興味がある若者が陶芸と出合う場をつくり、陶芸を学ぶ若者とも一緒に活動をしたい」と語る。
西岡さんは「協会として催しに参加し、公共の場での常設展示を模索するなど、団体ならではの動きで陶芸を通じた文化的な活動をしていきたい」と話していた。(花木芙美)
▼佐賀市八戸の旧枝梅酒造内にあるギャラリーNOMAで8日まで。