太良町大浦の竹崎観世音寺に伝わる国指定重要無形民俗文化財「修正会鬼祭(しゅしょうえおにまつり)」が2、3の両日開かれた。カシの棒の束を本堂床板に打ち付ける「大聖(だいしょう)打ち切り」や、2人の子どもによる「童子舞(どうじまい)」が披露され、新年の豊漁と豊作、無病息災を願った。
3日は、赤着物に白い締め込み姿の「鬼副(おにぞえ)」を島﨑俊介さん(24)と菖蒲友晃さん(26)が務め、縄で束ねた大聖棒48本を頭上から豪快に打ち付けた。縄が切れると、縁起物を求めて見物客が一斉に取り合った。県重要無形民俗文化財の童子舞では、大浦小3年の梅﨑啓人さん(9)と尾﨑侑功さん(9)が白い面や魚笠をかぶって息の合った舞を演じた。
祭りは、沖と観音堂に別々に住む夫婦鬼の再会を阻止し、竹崎島を転覆から守るために始まったとされる。起源は定かではないが、709年創建という竹崎観世音寺に伝わり、中世以前の所作を色濃く残す。
澤光樹住職(45)は「昨年は雨のため堂内での行事だった。外で執り行うことができてよかった」と話した。裸の若者たちが勇壮に走り回る「鬼攻め」は、担い手不足から今年も中止だった。(市原康史)